子どもからお年寄りまで、
一生涯健康でいられること
スポーツ(運動)、リラクセーション(癒し)、医療、この3要素が健康を守る。
|
―はじめに
かつてない高齢化社会を迎えている日本。これまでの医療が目指したものは「長生き」でしたが、これから目指すものは「生涯を通して健康で、長生きすること」ではないでしょうか。私が医師になったのは勿論「病気を治すため」でしたが、徐々に「病気にならないようにすること」が最も大切な事だと思うようになりました。本気で取り組めば大概の病気は予防ができます。人が持つ自然治癒力というのは素晴らしいものであり、「医療」はそれを補うものでしかありません。医療は病気を治すものと思われがちですが、本来は「人が病気になった状態から回復するのを手伝うもの」なのです。
「自然治癒力」とは、常に人が快適に過ごすことが出来る状態を保つ能力です。これを保つためには、「スポーツ=運動をする事」「リラクセーション=癒し」の2つをバランスよく取り入れることが大切です。生活習慣病といわれる糖尿病を例に挙げてみましょう。糖尿病は主に糖分の取りすぎが原因ですが、運動をして糖分を消費してしまえば血糖値は下がります。高血圧はどうでしょう?ストレスが溜まってしまうと血圧が上がりますが、リラックスした状態では血圧は下がります。このように通常人は外部からの余計な刺激があっても生体内のバランスを取ろうとします。外部から病原菌が襲ってきても人にはこれを退治する能力があるのです。これが自然治癒力です。ところが、体力の低下や疲労、ストレス、生活環境…さまざまな要因が元で、とうとうバランスが取れなくなります。すると病気になり易くなってしまうのです。健康を保つためには、@体を動かす事(スポーツ、運動)、Aリラクセーション(癒し、メンテナンス)の2つが大切で、それら2つのことを行っても病気になってしまった時に、最後の砦として医療が役に立つのです。
|
―ストレスとは何か?
セリエ博士が提唱した「ストレス」説とは、簡単に説明すると「外部からの刺激(ストレッサー)に対して起こる生体内の反応(ストレス)のこと」です。普段皆さんが「ストレス」と口にしているものは、「ストレッサー」と「ストレス」の両方を指しています。皆さん、暑い夏には汗をかきますよね?気温の上昇が「ストレッサー」で、発汗作用が「ストレス」反応です。悲しい出来事があると泣きたくなりますよね?これもストレス反応です。
これを、次に述べる「ホメオスタシス」理論と一緒に考えると、生体内の反応、病気のメカニズムが分かり易くなります。
|
―ホメオスタシス理論
「ホメオスタシス」とは「恒常性」と訳されます。簡単に説明すると、「外部からの刺激があっても、常に一定の状態を保とうとする力」のことです。例えば、人間は常に36℃台の体温を保ち続けています。暑い夏であっても、寒い冬であっても、東北地方の人も沖縄の人も体温は同じで一定です。血圧もそうです。健康な人は、体温、血圧、呼吸数、脈拍など様々なものが「一定値」を保ち、生体が快適に過ごせるような状態を保っています。このホメオスタシスが崩れた状態が「病気」と考えられます。通常であれば、塩分を摂取(ストレッサー)してもホメオスタシス機能がきちんと働いていれば、体内は一定の状態に保たれるように出来ています(ストレス反応)。しかし、塩分の過剰摂取という強いストレッサーが続くと、ストレス反応に限界が訪れホメオスタシスの均衡が崩れます。そして高血圧を引き起こしてしまうのです。糖尿病も同じ理屈ですね。
|
―自律神経の役割
ホメオスタシスを保つために機能している神経を「自律神経」と言います。自律神経が司るものは多岐にわたり、心拍、呼吸、血圧、その他内臓機能、反射などなど、人が意識せずとも機能してくれる有難いものです。
「自律神経」には、興奮系の「交感神経」と鎮静系の「副交感神経」が存在しており、上記のメカニズムが正常に働くよう調節しています。難しい話になりますが、外部からの刺激(ストレッサー)が加わると、視床下部−下垂体−副腎系の反応からコルチゾールというホルモンが分泌され、交感神経が興奮してノルアドレナリンの分泌も促されます。これらは、血圧の上昇や呼吸数・脈拍の上昇など、一種の興奮状態を作り上げます。長くこの状態が続くと免疫系に悪影響を及ぼすようにもなるので、ホメオスタシス機能により副交感神経が働いてその興奮を鎮めようとします。しかし、外部からの刺激が過剰になりすぎると、ホメオスタシス機能が破綻して対応できなくなります。自律神経のバランスが崩れ、常に血圧は高値を示し、脈拍は上昇し、軽い興奮状態が常態化します。興奮状態が常態化することは、非常に疲れるものです。こういった状態が、俗にいう「自律神経失調症」を引き起こします(自律神経失調症というのは正式な病名ではありません)。女性に見られる「月経前症候群」や「更年期障害」にも見られる症状ですね。自律神経失調症状はそれこそ多岐に渡ります。頭痛、耳鳴り、ほてり・のぼせ、めまい、発汗、手足の痺れ・ふるえ、のどの違和感、胸部違和感、胸苦しさ、動悸、腹痛、下痢…。そして、身体機能の崩壊は、精神機能にも影響をもたらします。不安障害、うつ病、不眠症…。一旦バランスを崩してこういった症状が出てくると、なかなか自分では対処しきれなくなってしまいます。
皆さんは、意識して心臓を動かしたり止めたり出来ますか?そんなの無理ですよね。血圧や内臓機能を意識的にコントロールできる人はいません。「交感神経」系の過剰興奮を抑えるためには「副交感神経」系の機能を高めなければいけません。どうすれば良いのでしょうか?…。
|
―リラクセーションの必要性
生体機能の中で唯一、自律神経で調節されながら意識的にコントロール出来るものがあります。ピンと来ましたか?…そう、呼吸です。呼吸は普段無意識に行っていますが、意識的に止めたり早めたりすることができます。深呼吸をして副交感神経が刺激されれば、リラックスできるのは皆さん経験済みでしょう。ゆったりとした呼吸が副交感神経の刺激=リラクセーションをもたらします。また、人が「心地よい」と感じる刺激は副交感神経を機能させ、ストレス反応を調節します(リラクセーション)。
マッサージ行為は筋肉の疲れを揉み解すだけでなく、リラクセーション効果ももたらします。嗅神経と経皮的な刺激を通して絶大なるリラクセーション効果を発揮するアロマセラピーも有効でしょう。足裏の柔らかい刺激を通して生体のバランスを取るリフレクソロジーは、英国では保険診療内で行われるそうです。これらのリラクセーション施術を日常生活に取り入れて、過剰なストレスに曝され疲れきった心身を癒すことが病気になることを未然に防いでくれるでしょう。
「Oasis(オアシス)」は、そんな事を考えて作られた施設です。スタッフは、常に最新の知見に基づいた「効果のある」施術になるように研鑽しております。皆様が健康を保つための1つの選択肢として如何でしょうか?
|
―健康と運動
運動やスポーツが健康に良い、というのは皆さんもイメージしやすいかと思います。難しい科学的なデータがなくとも、運動をして汗をかくと身も心もスッキリ爽やかになる感覚というのは、皆さんが経験されている事でしょう。
私は精神医学が専門ですが、最近では運動やスポーツが精神疾患の治療にも役に立つというデータが見られるようになりました。英国のNational Institute of Clinical Excellence(NICE)ガイドラインには、軽症のうつ病に対しては、運動療法(45〜60分/週3回)を勧めるべきだと記されています。運動をすると、中枢性のノルアドレナリン増強作用が認められたり(*1)、視床下部−下垂体−副腎系の変化が起きてストレスホルモンであるコルチゾールの減少などが起きる(*2)とされています。また、神経細胞の新成を促したり、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor=BDNF)の放出が促進される事(*3)などが判っています。
では、どういった運動が良いのでしょうか?これまでは、持続性の有酸素運動が勧められてきました。診察の際にもウォーキングやジョギング、水泳を勧められた方も多いでしょう。しかし、最新の研究では、ウエイトトレーニングの方がうつ病などの治療に有効である事が報告されています(*4)。持続性の有酸素運動が健康に良いだろうことは当然として、高強度のウエイトトレーニングの効果がより期待できる事が判ってきたのです。トレーニングをする事が如何に大切な事であるかが見直されてきています。
フィットネスジムDNA(Dream Network for Athletes)には、最新の医学的知見に基づいたトレーニングマシンが配備され、老若男女を問わず、初心者からアスリートの方まで幅広く効果的な運動が出来るようになっています。「運動不足を解消したい。」「身体を鍛えたい。」「痩せたい。」「きれいになりたい。」「いつまでも元気でいたい。」「競技力向上に役立てたい。」etc.…沢山の要望に応えきれるような、そんな利用者の方々の「夢=Dream」が詰まったジムにしたいと考えております。地域の皆さまがより健康に、いつまでも元気で楽しく暮らせるように、当社は全力でサポートいたします。
|
(*1)Sothmann MS, Ismail AH: Relationships between urinary catecholamaine metabolites, particularly MHPG, and selected personality and physical fitness characteristics in normal subjects. Psychosm Med 1984; 46: 523-533
(*2)Duclos M, Gouarne C, Bonnemaison D:Acute and chronic effects of exercise on tissue sensitivity to glucocorticoids. J Apple Physiol 2003; 94: 869-875
(*3)Cotman CW, Berchtold NC, Christie LA:Exersise builds brain health: key roles of growth factor cascades and inflammation. Trends Neurosci 2007; 30: 464-472
(*4)Made GE, Morley W, Campbell P, et al.: Exersise for depression. Cochrane Database Syst Rev 2008; CD004366
|
|